5月, つぶやく:雨の日のハナミズキ

雨の日のハナミズキ。

幼なじみのことを思い出す。
いつも笑いながら話す癖のあるあなただったから、卒業後に友人や環境が違っていても若さと勢いで泣いたり笑ったりしながら大波を乗り越えて大人になって、偶然どこかで会っても笑いながら「大変だったんだから」と話してくれる、そんなあなたの飄々とした生き方が羨ましかった。
それが、人づてに聞いた話で大変な事が起きていることを知ったのが30年前のこと。助けたいと思った。人に聞いた話よりも会って話がしたいと思った。
彼女には何の罪もないのに人生を大きく狂わせられたことを知って、共通の友人が何度か会おうと誘ってくれたけれど答えはNOだった。
今思えば、あの時会っていたとしても私の自己満足だけで終わっていただろう。

毎年、北側の庭のハナミズキの花に彼女を思い出す。
背景が雨模様の日のハナミズキは笑いながら話す彼女を思い出す。
あの頃、人の笑顔の後ろ側にある背景を見ることができないのも無理はない。
薄くて柔らかい桃色の花びらは雨が降って茶色く変色し始めた。
それでも風が吹くと、薄い花びらはさらさらと揺れて笑う。
曇り空を背景に、それでも笑え!ハナミズキ!

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