椿さんの空

道中、走る車の窓から空を眺めた。
椿さんでも木々を伝って空を見上げた。

台風の影響で数日前に大雨となった三重県四日市に向かう。
青空が広がり、白い雲の塊が羊の毛玉のように浮かぶのを見た。
薄いベールのように青空を透かして広がる雲、
黒い雲も薄く広がれば紫色、紫は彩雲の兆し。
長いうろこ雲が現れては散らばって、また現れる。

パンプスで参道を歩くと、
砂利石にヒールを取られてヨタヨタ歩きになる。
転ばないように注意して歩くので、ふくらはぎにも力が入りいい運動になる。
蒸し暑さと少しだけ登り坂になっている参道が、
長旅でこわばった体をほぐしてくれる。
蒸し暑さ、登り坂、砂利石、ん?何か足りない。
蒸し暑さ、登り坂、砂利石・・・あっ、大竹禰宜さんだ。
いつも「おかえりさない」と私たちを迎えてくれた大竹禰宜さんは退職されたんだ。長い長い神社の歴史から見たら大竹禰宜さんが社にいた時は短いけれど、その瞬く月日に出会えたことの幸せ。

禊祓いの祝詞に私がメロディをつけて歌った「ミソギハライノコトバ」を最初に聞いてお褒めの言葉をいただいたのも大竹禰宜さん、その後に神の森コンサートに出演させていただくことになったのも、最初から大竹禰宜さんのご尽力があったからこそ実現したこと。神の森コンサートの出演者の多くが豊富な経験と実力が社会的に認められている方ばかりの中で、私にはそのどちらもなかったのだから。

懐かしく参道を歩いていくと、その思いをつなぐ若い神職さんたちが声をかけてくれた。

「ただいま」と心で交わす。





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