9月, つぶやく:栗きんとんの季節です

薄いうろこ雲を透かした青空。

この雲が広がる頃になると稲刈りの準備が始まる。
老朽化してきた機械のメンテナンスをしたり、欠損部品を注文したり、前準備に忙しい。

昨日の午後、
実家の母から栗きんとんが送られてきた。
実家の母、姉たち家族を話題にして、みんなで栗きんとんを頬張る。
味覚は懐かしい家族の秋を覚えていて、なんだか実家に帰ったみたいだ。

夕方になって、
東京で暮らす娘家族にも懐かしい秋を送った。
うちで採れた野菜と発酵食品のアップルビネガーとザワークラウト。
別便で果物も送った。

夜になって、
実家に電話をすると姉が出た。
久しぶりに懐かしいイントネーション&自分とよく似た声を聞く。
姉に合わせて方言で話し出す私は、
目の前にいるケンの妻でもなく、息子の母でもない。
またたく間に妹の私になる。
そんな私を見て苦笑いのふたり。
私は見せたことのない自分を見られて恥ずかしくなる。

母と話すと、とても元気な声。
大所帯を切り盛りしてきた母が、大きな手術をしてから段々と塞ぎがちになっていくのを心配していたけれど、それは自分の体をいたわるように暮らしているのだと考えるようになってからは心配よりも安心感が大きくなった。
最近4人目のひ孫が生まれて、実家はまた大所帯に戻った。
私が20代の頃に家で聞いた母の元気な声が戻ってきたのだと思った。

懐かしさに引っ張られながら、ふたつめの栗きんとん。
いつの間にか、ケンも息子も自分の部屋に戻って、居間には私ひとり。
心の隙間を栗きんとんで満たしそうになったから、
みっつ目の栗きんとんに手を伸ばす前に、あわてて冷蔵庫にしまった。

みなさん、栗きんとんの季節です。

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