8月, つぶやく:薪風呂

小さい頃、実家のお風呂は薪風呂だった。
石油やガスでお風呂を沸かすような時代、おが屑を固めたオガライトと薪でお風呂を沸かす。
家を留守にすることが多い父よりも、母が店番をしながら沸かすことが多かった。
商いは夜9時まで、夕方は店を気にかけながらお風呂を沸かす。
焚べている途中でお店のチャイムが鳴ると、
母は火の具合を気にしながら小走りで店に戻ると言う具合に。
お客さんのほとんどは町の住民、ちょっと待っててくださいねと声をかけることもしばしばあった。
幼い私は父や母がお風呂を沸かすのを見ているだけだったので、薪風呂の手順どころか、火をつけることも随分大きくなってからで、忙しそうにしている母の薪風呂の手伝いなんてしたことがない。要領を得ていない。
薪は当時、営林署に勤めていた叔父が運んで来てくれていた。
今朝、なんの話からだったか、ケンと薪風呂の話になった。
ケンの家も薪風呂、でもうちと違うのは木は余るほどあったらしい。
もし薪風呂をやめて石油やガスでお風呂を沸かしたら循環が滞ってしまう。
理にかなった薪風呂。
私の実家の場合にはオガライトと薪を買っていたわけだし、もっと早くに風呂焚きから解放してもらったらよかったのにと思う。
母は相当、我慢強い人だったんだなと思う。
ケンは、
「今思えば、買った木で薪風呂なんて贅沢だよね」と言うけれど。
確かに、薪風呂の水の柔らかさや、芯まで温まる感じ、思わず歌いたくなるリバーブ感、父の歌う”ぴんからトリオ”・・・
今思えば、本当に贅沢。

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