6月, つぶやく:梅仕事

今週から梅仕事。
今年の小梅の収穫は少ないので梅干しにすることにした。
洗った小梅のヘソの部分を竹串で弾き飛ばす。
時間に追われた忙しい時に、この作業はイライラするけれど、
「今日は梅仕事」と決めた日のこれは楽しい。
独り言を言いながら、鼻歌を歌いながらやるとあっという間に終わる。
洗って水切りをして、熟すのを待つ間は好きなことをする。
いい香りがしてきたら、いよいよ漬け込む。

初めて梅干しを作った時、熟しすぎてしまって重石をしたら梅ペーストになってしまった。その上に乗せた紫蘇も取り出し忘れて紫蘇ペーストになっていった。
この年は忙しかった。
高価な塩で漬けた梅紫蘇ペースト、梅醤番茶用として重宝している。
梅仕事は慌ただしさの中でやるもんじゃないということを学んだ初梅仕事だ。
梅は待ってくれないとわかっていながら最優先事項は歌、というパラドックス。

次の失敗は梅がたくさん収穫できた年のこと。
2人で収穫した梅、加工するのは私。
うちは梅はオンナの仕事、収穫は2人でも加工はひとり。
瓶を消毒したり、足りなければ買い足したり、梅酒用の焼酎、アルコール、砂糖、塩、どれも重いものばかりで30キロを超える梅を洗いヘソを弾き飛ばし、家庭用の小さな瓶に漬け込むのは骨が折れるのだ。
この時も、梅は待ってくれないけれど優先事項は他にあるという自説に基づいて私の心の予定に「梅仕事」は入ってなかった。
予想を遥かに超えて大量に収穫した梅を捨てることなく加工しなければという気持ちはあっても、それを追い越して梅が熟していく。
その年は毎週のようにライブがあって梅どころじゃなかった。
コバエが一匹飛んでいるのを見て、覚悟の夜なべ梅仕事をした。
こうなると楽しくもなんともない。
ただ苦痛なだけ。

やっと漬け終えた時、ケンが最後の1本の梅の木の収穫に取り掛かった。
もういらないと思った。
すでに漬け瓶は店頭にはなく、ネット情報からジプロックで漬けている段階で、アルコールと砂糖は中途半端に残っている状態。
一体こんなにたくさんの梅干しに梅酒にジュース、消費できるのかと、ため息と怒りでイライラしていた。
私の苛立ちは収穫担当のケンにじわじわと向かっていった。
収穫を終えて、ケンは伊勢の椿大神社で開催される総会へ出席するために一泊旅行へ、私は熟し始めた梅を、手元にあるジプロックに漬け込むと、あとは廃棄と決めて梅仕事をボイコット。

翌日帰ってきて、熟し傷み始めた梅を見たケンの一言二言で、我慢の限界に来ていた私はプチンと切れたのだった。

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その時、
私たちが学んだことは、必要以上に収穫しないこと。
落ちた梅があるように、食べない梅があってもいいということ。
傷梅と共に土に還してあげればいいということ。

あれから、
梅仕事は心の予定に入れて、夏至あたりは心を整えておくことにしている。
梅仕事は心の楽しさが最優先、カレンダーにはバースディと見間違うくらいに派手なピンクのペンで「梅仕事」と書いておく。
梅仕事の合間は好きにしていい。
その日は外食、デザート付きと決めていい。
年に一度のバースディと同じ。
ある意味、梅仕事という名のマイルール週間として、楽しむ。

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