6月, つぶやく:ラマちゃん

看板に、ラマは触られるのがあまり好きじゃないと書いてある。
イラっとすると臭いツバを吐くから気をつけるようにとも書いてある。
自分だけは大丈夫ということはない。

ケンは何年か前にツバを吐かれたことがある。
ツバを吐く前、ラマはニタっと笑うような仕草をした。
左右に口を大きく広げて歯を見せる。
笑っているように見えるので、”ご機嫌だ”と勘違いする。
そのラマの警告を知らずにいるとツバを吐く。

この日、ご高齢の男女三人組がラマのすぐ側のベンチに腰掛けて、ちょうど家にいるペットと話すようにラマに話しかけていた。

私はその隣でつながれている黒ヤギを見て帰るところだった。
おじさんの「笑っとる、わしを見て笑っとる」と喜ぶ声がして、
もしやと思い振り返ると、ラマが笑っとる、あかん、あかん、あかんやつ。

一緒にいたおばさんが、看板にツバを吐くって書いてあるよと忠告しても、
おじさん、何を言うとるんやと、笑っとるやないかと、忠告を聞かない。
おじさんはかわいいラマと、共通言語を持たない動物と心のつながりを感じて幸せそうだった。
私は幸せな笑い声がずっと続くようにと、神様に祈りながら帰った。。

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