10月, つぶやく, 留め帳:置き薬屋さん

この家のずっと昔から続いている置き薬。
私が管理するようになって15年ほどだけど、一度もお世話にならず済んでいる。
長年、使ってもいないのに度々来てもらうのも申し訳ないと思うのですが、
「使わずに済むのが一番ですから」と、
そんなふうに言える人に悪い人はいない。
万が一、災害時のために置かせてもらっている。

玄関先で薬を詰め替えてもらいながら薬屋さんと世間話をする。
今日は先日の台風被害のことを話しながら、長野市の千曲川付近の様子などを聞くことができた。
川の堤防から見た被害地域はまだまだ住めるような状況ではないらしい。
自然の猛威を前に私たちはどうすることもできないこと、
被害に遭われた方々が一刻も早くいつも通りの暮らしを取り戻すことができるように祈っていること、
また、日常が実は奇跡だということ、
そんなことを玄関先で話した。

さて、時代の変化に合わせて置き薬屋さんも季節に合わせて様々な商品を持ち歩いて家々を回る。
夏には入浴剤、農繁期にはドリンク剤、お茶や健康ジュースもあった。
クーラーボックスから取り出して紙コップに注がれた冷えひえの健康ジュースは本当に美味しいのだ。
使っている原材料も栄養素も特別なものらしく、データまで見せられれば効果は期待できる品物。
でも安くはない。
家にいて、好きなだけ冷たい飲み物を飲んでいる私が、
暑い日中の外回りの若者が持参した冷えひえ健康ドリンクをご馳走になってだな、いりません・・・とは言いにくい。
すごく勇気がいるのだ。
「あら美味しい、ご馳走さま」と言う私はなかなか手強いおばさまだけど、
「あら美味しいわね、じゃあ1ケースいただくわ」という気前のいいおばさまだっていることを私は知っている。

何を隠そう、私の母はそういう人だ。
一旦気にいれば本数ではないのだ、ケースとかダースとかいう単位で買う。
その気質が姉に引き継がれていることがわかったときには愕然とした。
姉家族と出かけた串カツ屋で、姉が注文しようとする単位がべらぼうに多くて、みんなで阻止したことがあった。
その気質、私には引き継がれなかったけれど、
こんなとき母ならどうするかなと、
最近はそんなふうに考えることも増えてきた。

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