4月, 坂口由起子, 留め帳:2019アースデイに寄せて

今年も4月といえば「アースデイ」
90以上のブースが並ぶ会場は大きな市場のようで、絶え間なく、入れ替わりながら10時から15時まで様々な催しは続く。
サブニュマのアフリカンドラムが響いた後に、和太鼓が掛け声と共に響き渡る頃、会場は熱気に包まれる。ランニングシャツの若者、腕をめくり上げたり、上着を腰に巻いたりして熱い1日はエンディングに近づいていく。
汗が引いて、ブースでも「売り切れ」の看板が掲げられる頃、アースデイin佐久の音楽チーム「アースデイバンド」のステージが始まる。私も数曲歌い、エンディング曲は「幸せの種を蒔こう」の大合唱。
自身の歌そのものよりも、久々の再会は年々私のアースデイのテーマになっていて、最後の歌を歌いたいがためにアースデイは続けているようなもの。
太陽光で発電した電気を使った音響でエレピを鳴らし、マイクを通して歌う。
そのシステムは震災以降、電気について考えるきっかけになった。

ター坊のギターに合わせてリズムを刻みながら教子さんが歌う姿は本当に素敵で、素敵としか言いようがないのだ。love and peaceがこれほど似合う人はいない。息のあったサウンドとメッセージはアースデイの中心、求心力となる。
ひとたび音楽が始まると、道行く人は立ち止まるし、手を止めて聴き入る。ブースを離れて、設置されたステージ前に立って聴く人もいる。
私も、その求心力に惹きつけられたひとり。

至くんはアースデイin佐久の実行委員長で、民族楽器を脇に抱えてベンガル語で歌う。ギターで歌う「バビロン」は私も友人たちも大好きな歌。ババババビロン♪というバビロンのバの羅列は一度聴いたら一日中リフレイン、これを聴かなきゃアースデイじゃないっつーの。
アースデイの他にも「旅人の祭り」を主催していて、至くんを中心にして広がり続ける友達の輪はどこまでも広がり続けている。
さらに至くんは太陽光発電の装置のプロフェッショナルで、アースデイ会場の電気は至工務店(至くんは大工さん)の自前の装置でまかなっている。

オギタカさんは音楽家でシンガーソングライター、長きに渡る音楽仲間。「音あそびの会」は大人も子どもも楽しめるワークショップで、近年はひっきりなしに声がかかって県外でも広がり続けている。昔は一緒にライブをしたこともあったけれど、今はいちファンとしていろんなところで耳にする活動を影ながら応援している。久しぶりに会ったけれど、フレンドリーな人柄はどこでも愛されていて、ファンも多い。5月の震災復興応援イベント「さくらさくライブ」でも彼の人柄が求心力になって集まる人たちが大勢いる。彼の作品はどれもこれも素晴らしくて・・・プロの音楽家の作品に私が素晴らしいというのも変ですが、本当にいい歌がいっぱいあるから、聴いてほしい。会場を大きなウェーブで巻き込む彼のコールアンドレスポンスは圧巻で、それが考えて作られたものではなく、その場で自然に湧き上がってくるもの、だからいつも新鮮。ジャンベを叩きながら!

サブニュマはアフリカンダンスとアフリカンドラムのたけちゃん率いるチーム。
アースデイの会場に踏み入れる前、駐車場から響き渡っているアフリカンドラムに合わせて会場に着く。、
アースデイといえば「サブニュマ」で、芝生公園の人だかりの真ん中には、そうチームサブニュマ。大きな音と大きく体を動かすダンスの中心には繊細な心があって、心の解放ができずに大人になってしまった大人、私のような。そういう大人にも無理強いせず、ただ大きな音で「ここにいるよ」。たけちゃん率いるチームサブニュマの広く開かれた入り口の前で、私は自分の入り口の狭さを知ることになる。

私は坂口ユキコ、シンガーソングライター。
器用ではないし、フレンドリーでもないからシンガーソングライターという自己完結型の表現は最も無理のないスタイルだと思っている。
音楽制作にストレスフリーはありえないと考えているので、多少の無理(挑戦)は続けてきたし、これからも続けていく。
自分と対照的なアーティストと出会う機会は、自分の個性をきちんと整理することができる機会となる。
地球を意識する祭典で、多様性がひしめき合う会場で、自分自身と出会うこと。たったそれだけの、それだけがアースデイの姿なのかも知れない。


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