マクロビオティック:野菜の調理法

■調理中の心得
食べ物が食べ物として物質的な意味合いだけでなくことを覚えておきましょう。
鍋の中で融合するエネルギーは食材のもつ陰陽の特質、自然さに任せて極力手を加えないこと。鍋の中の食材が手助けを必要としているかを感じられるように。

■食べ物の陰陽を調理法で補う
陰性の食品は陽性の調理法で中庸に、陽性の食品は陰性の調理法で中庸にすることができます。ただし、食べ物が本来持つ陰陽の性質が消えるわけではありません。陽性の調理法としては火にかける時間を長くする、強火にします。いわゆる冬の調理法です。おでんなどの煮込み料理、オーブン料理です。また長い時間を経て陽性にすることもできます。梅干しや味噌、プレスサラダなど。水分の多さは陰性なのでスープと煮しめではスープの方が陰性です。油分は水よりも軽く陰性です。ただし天ぷらなど油に火の要素が加わりますから一概に陰性とは言い切れません。揚げ物を多くとる人は陰陽過多です。油の取り過ぎが引き起こす体の外側に現れるトラブルとしてにきび、赤ら顔、皮膚のトラブルがあります。同じ陰性のコーヒーや砂糖の取り過ぎにも同じ症状があらわれます。濃い味付けは陽性ですから夏は塩をうすめで酢を使った料理にします。根菜は陽性のエネルギーが強い食べ物です。切り干し大根などの干し野菜は太陽のエネルギーで水分をとばします。冷凍や缶詰などの人工的な保存法に対して干し野菜は自然な保存法です。調理前に数時間でも干すことで野菜を陽性にしますし甘みも凝縮します。
サラダに柑橘類を加えて陰性のサラダにすることができます。
毎日、シンプルで品数少なく、同じようなものを食べ続けるとそれだけで陽性に傾いていきます。顔が黒く締まった顔つきになります。逆に品数が多いのはそれだけで陰性に傾きます。早口になったりします。
鍋にも陰陽があります。鉄鍋での料理は陽性パワー、つぎの陽性パワーはステンレス、陶器は陰性パワーとなります。鉄鍋の頻度は高くないですが、食養ですごく陽性のきんぴらごぼうを作る時にうちではつかっています。

■メニュープランニング
バラエティに富んだメニューを心がけます。
1日の間でバランスがとれるメニューがよいのですが、とりあえずはじめは2〜3日でバランスをとるようにプランニングします。
そのためにいちばん簡単なのは色のバラエティです。同じ色にならないように、緑・白→陰性、茶色・だいだい→陽性、黄色→中庸という具合に。
また薬膳のように味のバラエティもあります。5つの味の分類です。
五味というのは5つの味が均等になるという意味ではありません。
自然の甘みは7〜8割、残りの2〜3割を酸味、塩辛い、ピリッとした辛み、強い甘みになるようにします。
まず、全粒穀物と丸い野菜を食べて入ればそれで7〜8割、酸味は梅酢、玄米酢、ザワークラウト、高菜漬けなど、苦味と強い甘みは、スパイシーなゴマや、青じそ、穀物コーヒー、パセリ、甘酒、甜菜糖、ドライフルーツなど、ぴりっとした辛みはネギや貝割れ大根、大根おろしなど。塩辛さは塩味、魚介類の塩味もここに入ります。どれかひとつが強くなると他の味もつよくなる傾向があります。
手の込んだものとシンプルなものというようにメニューの組み合わせのバラエティも大切です。よく火を通した料理(10分以上)と軽く火を通した料理(10分以内)というプランニングもあります。

■食感
もちもち→もちもちの玄米、カリッ→フレッシュな野菜、じっくり煮込んだやさいのほっくり感など。

■調味料のバラエティ
醤油、味噌、塩、玄米酢、梅酢、油
味付けの濃いものでも自然海塩を使ったものは体が排出してくれますが、あまりにしょっぱいと陽性が極まり陰性にひっくりかえります。ようするに水分や甘いもの(陰性)がほしくなるのです。
マクロビオティックはやや薄味です。薄いことを推奨しているわけではなく、濃いものもあれば薄いものもあるという感じです。塩分不足は貧血を招きます。
調味料を何にでもいれるというのもやめましょう。
一品は味付けをしないというのもおすすめです。

■全体の味付けを考える
一品一品の味付けにこだわらず、全体的に味のバランスを考えましょう。
一品がしょっぱくなってしまっても他で優しい味付けにすればいい塩梅です。

■味見のタイミング
味見をするときは塩や醤油などの調味料を入れて2分待ちます。ミネラルが鍋の中で均等に混じってから味を見ます。

■水分の多い果物の剥き方
シェフ剥きを検索します。

■ごま塩
天然塩をフライパンで炒ります。すり鉢でパウダー状になるまですります。洗いゴマをさっと洗いフライパンで焦がさないように炒ります。途中でゴマ粒をスプーンですくってみてください、粒がスプーンに付かなければ水分は飛びましたので塩をすったすり鉢に入れてすっていきます。煎り塩をするときには力をいれてもよいですがゴマを煎る際は、すり棒の上に左手を乗せ、その重みのみですっていきます。力を入れないように。パウダー状になった塩の周りをごま油がコーティングするようにします。口に入れたときのしょっぱさを軽減します。

■茹で野菜
味のしっかりしたもの、長時間火を使って煮込んだり、圧をかけた料理にはシンプルで軽い調理法の野菜料理を付け合わせます。茹で野菜は簡単でおすすめです。短い茹で時間の調理法ですから野菜の切り方は薄め、小さめに。

人参、大根、ブロッコリー、小松菜など旬の野菜を使います。
茹でるときには塩をひとつまみ。
沸騰した鍋に一度にたくさんの野菜を入れないこと。
温度が下がってしまい色よく茹で上がりません。
葉物は太い軸の部分に包丁で切り込みをします。
そして、葉の部分をつかみ軸の部分を先に鍋に入れ、その後葉の部分も鍋に沈めて茹でていきます。そうすることで均一の茹で上がりになります。

・おひたし
強い陽性の献立にはあっさりしたおひたしがおすすめです。
青菜がぐったりしているときは水を吸わせて生き返らせてから使います。
塩分を使いすぎたメニューのときはあえて茹で塩を使いません。

■プレスサラダ
献立に生野菜を入れたいときには塩+重石で余分な水分を出したプレスサラダにします。野菜は細かく、薄くカットすることで早く水分を出すことができます。塩味が基本ですが、オプションとして柑橘系の果物を入れても美味しいですし、干しあんずなどのドライフルーツを入れても美味しいです。
軽いプレッシャーを感じているときには、柑橘類のさわやかさが重い感覚から解き放ってくれます。白菜+ゆず
繊維も硬く消化しづらい生野菜を食べるバリエーションです。
甘いものがやめられない人は献立にプレスサラダを付けることで、甘みを強烈に欲する気持ちが和らぎます。スイーツもプレスサラダも、形は違いますがどちらも陰性のリラックス効果があります。
また疲れたとき、硬いものが食べたくなりますが、そんなと時は肝臓が弱っている可能性があります。そんなときにもプレスサラダはおすすめです。
歯ごたえが欲しくてクッキーやおせんべいを食べる人にもプレスサラダ。
浅く浸けたもの

■漬物
塩分が少なく軽いものをプレスサラダと呼び、塩+重石(圧)+時間のものを漬物とします。

■煮物
ひとつの料理を根の部分と葉の部分でとることは循環をもたらすことを覚えておこう。
・ひじきの煮物
ごま油を熱して、
玉ねぎをゆっくりと炒めて甘い香りがしてきたら→戻した干し椎茸→戻したひじき→蓮根の節→万能ネギの根っこ→もやし→人参、この順番に乗せていきます。
野菜の陰陽に従って陰性が鍋の底、上に乗せていく野菜ほど陽性。鍋の中で陰陽が交わり美味しくなる。

■野菜の蒸し煮
味の濃い献立のときには手早くできてシンプルなものとして蒸し煮をおすすめします。野菜の自然な美味しさが際立つ料理です。そして昔と違い忙しい現代はこういった軽い料理が必要です。
この料理も野菜の根っ子など硬い部分は細かく刻んで鍋の底に入れて煮ていきます。大根、かぶ、にんじん、カリフラワーなどを鍋に重ね、鍋底を覆うくらいの水分量で火をつけます。強火にして鍋から大きく蒸気が確認できたら弱火にして10分以内で蒸し上がるようにします。
夏は5分以内で蒸しあがるように野菜の大きさを工夫します。
塩は煮上がる少し前に数つまみいれますが、カブの葉など、葉物を最後に入れてタイミングで塩を入れ蓋をして数分煮ます。葉物の色が変色しないように数分。
できあがったらバットに入れるか器に盛りつけます。
味が薄く感じるならば味噌ソースなどをかけますが、味の濃いメニューの時には薄味でいただきます。

■サラダ
・切り干し大根のサラダ
切り干し大根は2〜3センチに切ってやわらかく戻します。きゅうりのアクの苦味は陰性の苦味です。端を切り落としこすりあわせます。塩の陽性を使って陰性を引き出すのです。苦味をとることは陰性性をとることと同じです。
農薬と化学肥料をつかって大きく育てた野菜は陰性のエネルギーです。食べる前に農薬を除く方法として塩の陽性性を使います。塩で揉んだり、塩で引き出したりすることで防ぎます。そしてアクは必ず洗って使うこと。
・フリルサラダ
レタスなど、ちぎって調理する野菜は色が悪くなってしまいますから最後に。
・たまねぎ
サラダに使う玉ねぎは芯の部分を切り取ります。芯は細かく刻んで他の料理に使います。玉ねぎの辛みは塩でもんで水にさらします。2回ほど水を替えます。

■豆料理
豆料理には必ず切手大の昆布を入れて煮ます。豆に含まれる油分は消化しにくいのでがミネラルの作用で柔らかく消化の良い豆料理になります。
「びっくり水」の作用は、温かい水の中で膨らんだ豆は水をさすことで急激に締まります。これを繰り返すことで早く煮えます。びっくり水を何度か繰り返すので煮始めの水分量は豆がかぶるくらいにしておきます。煮ている時には豆が水から出ないように注意します。
・小豆カボチャ
小豆は洗って一晩浸水します。すぐに煮ることもできますが浸水することでやわらかく消化の良い小豆になります。基本的に浸水に使った水のまま煮ていきますが長時間の浸水や季節によっては水を替えます。

■きんぴら
陽性の根菜をしっかりと炒める料理法です。
力強く、体を温め、腸を丈夫にします。
ごぼうを炒めるときにはかき混ぜすぎないようにすること。野菜が毛羽立ってしまいます。ごぼうを炒めることでアクがぬけると甘い香りに変わります。にんじんを上に置いて水を注ぎます。水分量はごぼうがかぶるくらい。人参が黒くなるのを防ぐために蓋をして20分程蒸し煮にします。やわらかくなったら醤油で味付けをして5分火にかけます。体をあたためる陽性の調理法なので水加減は少なめにしてください。

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